観察時に視点を直接指示する指導法とグループで話し合いながら観察させる指導法との比較研究
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概要
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本研究では,着目されにくい傾向にある観察の視点を教師が直接指示して観察させる指導法と,着目傾向の異なる生徒同士を組にして自由に話し合わせながら観察させる指導法との教育効果を比較検討した。教師が直接指示する指導法を行った調査1では,まず,EFT検査を実施して場独立型と場依存型とに分け,着目傾向を把握した。そして,着目傾向の異なる生徒に対して,着目されにくい観察視点を教師が直接指示し,個別に自由に観察させて気付いたことを記述させた。自由に話し合わせる指導法を行った調査2では,EFT検査を実施して場独立型と場依存型に分けた後,着目傾向の異なる場独立型の生徒と場依存型の生徒を2人組にして,指示は何も与えずに自由に観察させて気付いたことを記述させた。両調査での記述内容を,それぞれ12のカテゴリーに分類し,その結果を比較した。その結果,傾斜・褶曲及び断層のカテゴリーについて,話合いを促した調査2の方が指摘が多かった。したがって,着目傾向の異なる生徒同士を2人組にして自由に話し合わせながら観察させる指導法が,着目されにくい視点を教師が直接指示する指導法より,教育効果を期待できることが明らかになった。
- 日本理科教育学会の論文
- 2001-03-31
著者
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