医療に対する自律性に関する日米比較
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概要
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医療に対する自律性について、日米の高齢者を対象に自記式質問紙調査を実施し、比較検討を行った。対象者は国内の地域高齢者125人と米国ハワイ州ホノルル市における日系高齢者94人であった。医療に対する自律性に関連する要因として両群ともに、意思決定とかかりつけ医との関係が認められた。また、家族機能との関連では、国内高齢者では意思決定と家族の凝集性、適応性が正の相関、日系高齢者では情報希求との間に共に負の相関が認められた。また、国内高齢者では検査の目的や薬の副作用などに関する情報希求が日系高齢者に比較して高く、終末期ケアの意向についても意思決定と療養場所の希望、延命治療の意向との間に関連が認められた。以上のことから、高齢者において医療に対する自律性と医療従事者、家族関係は重要と考えられ、国内高齢者に対する支援として、医療に関する情報提供、さらに終末期ケアも含めた意向に関する理解が求められることが示唆された。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2007-09-20
著者
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