終末期ケアに関するグループ・ディスカッションを用いた啓発活動の効果
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概要
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終末期ケアの倫理的課題の解決を目的として、高齢者を対象に終末期ケアに関する啓発活動の受入とその効果を検討した。対象者は中国地方の老人クラブ会員60名で「延命治療の意向」と「リビング・ウイルの是非」の2つをテーマとしたグループ・ディスカッションを実施し、介入前後及び1ヵ月後に評価を行った。その結果、啓発活動に対する受入は10段階中8.2と比較的良い評価であった。また、延命治療の意向では介入後、1ヵ月後で「医師の判断に任す」から「希望しない」「家族の意向に任す」に、リビング・ウイルの支持についても「非常にそう思う」とした回答が増加するなど有意に変化していた。さらに終末期ケアの話合いは介入前20.4%から1ヵ月後には約2倍の38.9%に認められた。しかし、リビング・ウイルを作成したものは数パーセントで、実際の文書を用いて介入を行う諸外国の報告に比較して低く、今後は作成率の向上を目指したプログラムの実施が望まれた。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2005-09-19
著者
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