聴覚障害児における構文の指導について(1) : 単文の習得
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概要
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本研究は聴覚障害児に対する格助詞の習得を目ざした単文の指導プログラムを作成し、そのプログラムに従ってろう学校に在籍している聴覚障害児7名(小学部4年生)を実際に指導し、その結果からプログラムの良否を検討することを目的とした。指導プログラムは記号論理学の枠組と認知心理学的考察に基づいてデザインした。すなわち、格助詞の機能が明確に示せるのは可逆能動文であるとして、相互に交換可能な2つの名辞を含む文を指導材料とし、単に格助詞を単独に指導するのではなく、格助詞が変われば文の意味が変わるということを絵や実物を提示することによって理解させるという手続きをとった。指導前、指導直後、指導後3か月にテストを行い指導の良否を検討した結果、7名中3名に有意な(サイン検定、5%水準)改善があり、その効果は3か月後も持続していた。従って、本研究で用いた指導プログラムを有効であったと考えた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1980-03-31
著者
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