2-1.21世紀中葉のエネルギー事情(Session(2)エネルギーと環境)
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概要
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21世紀中葉には世界人口が100億に達すると予想されている。今後,人口増加の著しい途上国で生活水準が向上し,南北格差が少しずつ是正されていくとすれば,人類全体の経済規模は,人口が増える分に比例する以上に拡大していかなければならない。人口増加と南北格差是正を支えるには,大量のエネルギーや食糧が必要となる。しかし化石燃料の消費量を今以上に増やすと,SO_2による大気汚染と酸性雨,CO_2による地球温暖化など,グローバルな地球環境問題が人類の生存を危機に陥しいれる。食糧増産のために森林を開墾したり,大量の農薬・化学肥料を投入すると,土壌や地下水を汚染するなど,環境を破壊し,これも人類の生存に危機をもたらす。経済成長,エネルギー・食糧等の資源開発,環境保全の三つは互いに深く関わりあっており,この関係をトリレンマと呼ぶ。トリレンマの構造を定量的に解析していけば,人類が末代までの生存を確かなものにしていくための方策が浮かび上ってくる筈である。そこで,トリレンマの中枢にあるエネルギーに焦点を絞り,人類100億人時代に必要なエネルギーを推定し,それを如何にして確保すれば可能かを探ることにする。こうした未来予測から,今日の我々が総力を挙げて取り組むべきエネルギー開発戦略の像が見えてくれば,しめたものである。
- 一般社団法人日本エネルギー学会の論文
- 1994-07-26
著者
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