肺がん検診の経年受診における受診間隔のばらつき
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概要
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目的.肺がん検診の経年受診における受診間隔のばらつきについて検討した.対象と方法.周辺10市町村からの委託により, 2006年度に当施設で実施した胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診併用による肺がん検診を受診した40歳以上79歳以下の男女5,304名のうち,2,307名の経年受診者を対象とした.各市町村の肺がん検診の実施日程を調べ,年間実施回数により分類した.全員の受診間隔を計算し全体集計,市町村別集計を行い,各分類の典型例について,受診間隔のばらつきの有無,程度を調べた.結果.年間実施回数による分類の結果,頻回型2市町村,年12回型2市町村,年4回型2市町村,年2回型3市町村,年1回型1市町村であった.全体集計の結果,受診間隔には大きなばらつきが存在し,最短130日,最長665日,351〜380日の比率46.8%であった.市町村別集計の結果,頻回型の市町村Aでは受診間隔の最短295日,最長606日,351〜380日の比率49.1%市町村Bでは最短130日,最長528日,351〜380日の比率28.0%で,ばらつきが大きかった.年12回型の市町村Cでも最短182日,最長665日,351〜380日の比率31.2%で,ばらつきが大きかった.年4回型の市町村Eでは最短229日,最長524日,351〜380日の比率68.5%,年2回型の市町村Gでは最短235日,最長494日,351〜380日の比率66.4%で,351〜380日の比率はやや高かったが,ピークを有するばらつきが存在した.年1回型の市町村Jでは351〜380日の比率100%であった.結論.肺がん検診の経年受診における受診間隔には大きなばらつきが存在していた.肺がん検診の事業主体である各市町村は,実施日程の設定,受診勧奨を行う場合には,受診間隔が365日前後になるように十分考慮する必要がある.
- 日本肺癌学会の論文
- 2008-06-20
著者
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