水田裏作における飼料作物の適種の選定
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概要
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畦の高さ,播種期,刈取時期,大麦の間作とする場合等について実験を行い。水田裏作における飼料作物の適種の選定を行つた。それらの結果は次のとおりである。(1)畦の高さに関する実験は地下水位面が冬期間ほとんど変化のない利根川沿岸の湿田において,地表面から5,15,25cmの高さの畦を設け,まめ科8種,か本科7種について実施した。5cm畦では実用的価値はなく,15,25cm畦ではコモンベッチ,レンゲ,ラジノクローバー,えん麦がやや良好な生育を示した。(2)播種期に関する実験は埴質の半乾田において,9月上旬から11月中旬にわたつてまめ科6種,か本科5種を用いて数回播種した。その結果,9月下旬までに播種される時にはラジノクローバー,レッドクローバー,レンゲが有望であり,さらにレンゲはクローバー類より約1ヵ月早く利用できる点は注目される。10月以降はコモンベッチ,えん麦が良好な生育を示した。(3)刈取時期に関する実験は黒ボク質湿田において,まめ科4種,か本科1種を10月初旬に播種し,4月中旬から6月上旬まで刈取りを行い。その再生量も含めて比較した。その結果4月下旬までに利用する場合にはレンゲが最も多収で,4月中1度青刈したものの再生も利用する場合にはラジノクローバーが最も多収であつた。イタリアンライグラスは4月末まではレンゲ,6月上旬まではラジノクローバーとほぼ同収量が得られた。(4)大麦の間作とする場合にはアルサイククローバーが子実収量に影響が少ないが,青草収量が著しく少なく,子実収量の多少の減少が認められれば青草収量の大きいレンゲの利用が考えられる。
- 日本草地学会の論文
- 1960-09-30
著者
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