ササ型草地における在来草種と追播牧野草の生育について : I.ヤハズソウの追播について
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概要
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1953〜1955年の3ケ年にわたり,ササ型草地1haのについてヤハズソウを追播し,在来主要草種であるネザサ,ススキ,マルバハギとヤハズソウの生育の関係を解析的に検討した。調査の方法は,60cm平方の木框420個を設定し,その中における各野草とヤハズソウについて,被度,草丈,密度を春秋2回,草量は秋期1回の調査を行つた。調査の結果はつぎの通りである。1)ネザサがヤハズソウの生育に影響をおよぼすものとしては,ネザサの被度と密度が強く,被度が80%以上では,ほとんどヤハズソウは生育することができない。ネザサの草量,10a当り1125kg(300貫)あたりが,ヤハズソウの導入限界と思われる。2)ススキについては,被度がヤハズソウにかなり強い影響を与え,60%以上の場合は,ヤハズソウの生育が極めて不良である。ススキの草量は10a当り525kg(140貫)以内であれば,ヤハズソウの導入は可能である。3)マルバハギについては,密度がヤハズソウの生育にかなりの影響をおよぼすようである。マルバハギの草量が10a当り563kg(150貫)以内であれば,ヤハズソウの導入は可能である。
- 日本草地学会の論文
- 1959-03-10
著者
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