薬剤利用による粗飼料貯蔵に関する研究 : 第1報薬剤の作用機構と貯藏中の乾物量の変化

概要

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薬剤利用により従来の貯蔵方法である乾草,サイレージにかわつて,簡易にしかも多目的に貯蔵利用するため試験を行つた。結果の要約は次のようである。1)SH基阻害剤を牧草に添加することにより,植物の呼吸作用を停止させると同時に,カビや細菌による腐敗,醗酵を抑えることができた。2)貯蔵中のpH,糖分,乾物量の変化は薬剤添加によりほとんど変化が認められず。分解が起つていないことをしめした。3)狭草含水量を30〜50%に落して,貯蔵したものも,薬剤添加により良好の状態に保持され,乾草の代替に利用できた。4)従来サイレージとして,貯蔵困難なクローバーを多く含む牧草を薬剤添加により醗酵を抑え,簡易に貯蔵できた。5)SH基阻害剤のうち,価格,使用上の難易,その他の条件を考慮して,クロールピクリンがもつとも実用的と推定された。
1963-04-30