早・中期作水稲跡のイタリアンライグラスの多収栽培に関する研究 : 刈取頻度がイタリアンライグラスの生育・收量に及ぼす影響

概要

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イタリアンライグラスを早・中期作水稲跡に早播,多肥栽培する場合の合理的な刈取方法を明らかにするため,刈取期の早晩による刈取回数の相違が生育・収量に及ぼす影響ならびに分げつ体系に与える変化について検討を行い次の結果を得た。(1)常に若刈し,刈取回数が多い場合は少刈に較べて年内から節間伸長期までの生草・乾物収量は低下しないが,その後は少なく合計収量においても同様少ない。(2)粗蛋白質含量は多刈が節間伸長期までは勿論,全期を通じて概して多いが,粗蛋白質の合計収量は乾物収量が低いため少刈に劣る。(3)刈取の多少による分げつ体系の違いは比較的小さいが,多刈の場合は節間伸長開始期がやや遅く,生長点切損茎歩合の増加する時期が遅れるため,節間伸長期における総茎数はやや多く,かつ遅くまで1次分げつが茎数,生重に占める割合が高いが,節間伸長期以降は逆に生長点切損茎歩合は高く,2・3次の高次分げつが茎数,生重に占める割合が高い。(4)従つて刈取方法としては,節間伸長期を目安とし,それ以前は比較的多刈で質の向上を期し,以後は少刈することが早播,多肥の条件に対しては適する。