オーチャードグラスの刈取方法の相違が越夏後における生存株率に及ぼす影響
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概要
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低標高の採草地では,利用初年度の夏以後,オーチヤードグラスなどのイネ科牧草の枯死株が多く観察されるので,刈取り利用方法の改善により,夏枯れを少なくし,その後の生産性を高める目的で,富山県畜産試験場牧草畑において試験を行なつた。1963年9月26日にオーチヤードグラス(雪印市販種)を縦横ともに10cm間隔に点播した。試験区は6処理で,生育段階を草高20,30および50cmとして,それぞれ5cmと10cmで刈取つた。1プロツト,2×2=4m^2,3ブロツク制,別に無刈取1区を設けて試験した。1).いずれの生育段階で刈取つても,低刈は高刈に比べて,刈取後の再生に多くの日数を要し,また,夏季高温時では茎数が激減し,遂には枯死する株が多く,草地は雑草の侵入が著しく,収量も少ない。2).各処理の越夏後の枯死株率は,20-10,20.1%,50-10,40.9%,35-10,52.6%,50-5,72.8%,20-5,92.0%,35-5,98.0%で,20-5,35-5は,ほとんどの株が枯死するにいたつた。また,無刈取区では59.0%もの枯死率を示した。3).これら各区の収量は,最も多いものは35-10で,年間6回刈取り,風乾物重(1.96m^2当り)1906.6g,20-10,14回刈取り1.714,8g,50-10,3回刈取り1673.3g,35-5,4回刈取り1647.0g,20-5,8回刈取り1616.4g,50-5,3回刈取り1422.1gであつた。以上のことから,オーチャードグラスの利用については,草高の比較的低いうちに高刈し,頻繁に利用するほうがよいと考えられる。
- 1965-09-30
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