肢体不自由のある重度知的障害生徒を対象にした生涯スポーツを目指した支援 : 3年間にわたる「お手玉ふっきん」の実践を通して
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概要
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本研究では、肢体不自由を重複する重度知的障害生徒1名を対象として、家庭・学校場面における運動の実行経過を報告し検討した。対象生徒は、指導開始時、高等部1年生に在籍する身体障害者手帳1級で、肢体不自由、小脳失調性四肢麻痺による両上肢・移動機能障害を重複する重度知的障害の男子生徒であった。まず、学校において「お手玉ふっきん」(高畑,2001)を支援ツールとして腹筋運動を指導し腹筋運動スキルの獲得を目指した。次に、支援ツール「お手玉ふっきん」「ふっきんチェックシート」「回数シール」を家庭に導入し、家庭場面における対象生徒の腹筋運動の自発を促した。さらに、母親に対して、本支援に関するアンケート調査を定期的に実施した。結果、対象生徒は「お手玉ふっきん」による腹筋運動スキルを獲得し、2年8か月にわたって学校・家庭で維持された。また、本研究で設定した目標、支援ツール、支援手続き、効果について、保護者へのアンケート調査でも肯定的な評価を得た。肢体不自由を重複する重度知的障害生徒の生涯スポーツのあり方、生涯スポーツを目指した家庭への支援と、支援ツールの役割について考察した。
- 2005-05-31
著者
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