拗音表記の読み書き習得の必要条件 : 言語発達遅滞事例による検討

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概要

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拗音表記法の習得に困難を示す言語発達遅滞事例への指導を通して、拗音表記の読み書き習得の必要条件について検討した。必要条件の候補として、音素の自覚、および、混成の理解を取り上げた。対象児に対し、まず音素の自覚、ついで2文字が1音節を表すという混成規則の理解形成の指導を実施し、拗音表記の読み書きへの影響を調べた。音素の自覚を訓練する課題としては、単語どうしの音素の一致を検出する課題を用いた。混成の理解は、拗音を含む単語を1音節ずつ区切って発音しながら積木を置かせ、各積木の音を再認させた後、積木に対応させて文字カードを提示することにより訓練した。その結果、対象児は音素の自覚を獲得できなかった。一方、混成の理解の成立と同時に、拗音表記の読み書きが可能になった。以上より、音素の自覚は拗音表記の習得に必ずしも不可欠ではなく、一方、混成の理解は拗音表記習得の必要条件のひとつであると結論した。
日本特殊教育学会の論文
2000-09-30

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