高機能自閉症児の会話能力を育てる試み : 応答能力から調整能力をめざして(実践研究特集号)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
学童期の高機能自閉症児に対し、INter-REActive-Learning(INREAL)アプローチによって会話能力、特に応答能力を育てるかかわりを2年7ヵ月間にわたり行った。本研究では、子どもの応答プロセスにおける意図の理解と表現に焦点をあて、(1)どのような大人の援助が効果的なのか、(2)子どもの問題はどこにあり、援助によってそれがどのように改善されたのかについて、後半の取り組みを中心に検討した。第1段階では、子どもの説明能力と基本的な疑問文に答える能力を育てることができた。第2段階では、それをもとに会話の調整能力を育てることをねらい、子どもの会話能力に問題のあることを知らない大人と子どもの会話場面を設定し、そこに子どもの援助者が加わり援助を行った。援助方法で効果的であったのは「限定質問」であり、それによって子どもは相手の意図に呼応する自分の意図を焦点化し、適切な応答ができるようになった。獲得した応答能力は、実際の生活でも活かされている。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1997-03-31
著者
関連論文
- 高機能ASD包括的小グループ支援モデルの構築に向けて : 個別支援集団心理療法・語用論的アプローチ・ソーシャルスキルトレーニング(自主シンポジウム33,日本特殊教育学会第47回大会シンポジウム報告)
- 高機能自閉症児を理解し援助するためのマニュアル試案の有効性について(実践研究特集号)
- 発達障害児者のパーソナリティをふまえた発達支援をいかに行うか(日本臨床発達心理士会企画シンポジウム)
- 高機能自閉症スペクトラム障害(HFASD)児集団における語用論的アプローチによるコミュニケーション・ソーシャルスキル支援
- 高機能自閉症児の会話能力を育てる試み : 応答能力から調整能力をめざして(実践研究特集号)
- インリアル・アプローチの実際 : 会話期の問題とそのビデオ分析(自主シンポジウム1,日本特殊教育学会第33回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)
- 高機能広汎性発達障害児における間接発話理解に及ぼす課題提示条件の違いに関する検討
- 高機能広汎性発達障害児における間接発話理解に及ぼす課題提示条件の違いに関する検討
- 親が子どもを援助するために必要なこと : 高機能自閉症児の親として