学習障害に対する感覚統合療法の臨床的研究(実践研究特集号)
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概要
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教科学習の遅れが著しい小学校2年生の男児に対して感覚統合療法の原理に基づいて治療を行った。本児は学力の遅れの背景に視知覚、視覚-運動協応能力の問題、筋緊張の低下とそれに伴う微細な運動能力の著しい低下を示した。感覚統合的視点から、前庭覚-固有覚-視覚の統合を目的として、約8か月にわたり原則として週1回(1回60分)の治療を18回行った。結果は、動作性と言語性の知的能力の有意な差異が解消した。また行動的には視覚認知,目と手の協応運動に改善がみられ、筋緊張の増強が観察された。それに伴って粗大運動も滑らかになると共に、運動課題への取り組みも積極的になっている。学校での学習もこれと平行するように改善している。読み・書きの障害への対応として、今後、認知訓練へ治療の重点が移っていくことが予想される。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1994-03-31
著者
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