精神遅滞児の物語理解における自己教示訓練の効果 : 「文脈予測方略」の使用について
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概要
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MA4歳の精神遅滞児4名を対象に、物語理解における自己教示訓練を行いその効果について検討した。問題の明確化・自己強化・自己確認・エラーへの対処をメタ認知スキルとした。また、課題特有の方略として文脈予測方略を訓練コンポーネントとした。3つの理解テストが行われ、予測発言数が記録された。結果は4名中3名については各テストの得点が上昇し課題遂行時の予測発言数も増加し、自己教示訓練の効果が示された。一方1名の被験児についてはこのような効果はみられなかった。これは学習に対する適切な態度や志向性の低さにあると考えられた。以上の結果から、MA4歳の精神遅滞児の物語理解において自己教示訓練による効果が示唆されたが、さらに本研究で訓練されたコンポーネントに加え、自分で自分を動機づけていくための概念やスキル・方略をコンポーネントとする訓練も必要であることが示された。
- 1992-10-30
著者
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