機能的言語指導法による自閉症児の要求言語行動の獲得
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概要
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ことばによる自発的な要求がほとんどない2名の自閉症児に対して、機能的言語指導法に基づき、ことばを機能的に使用する訓練を行った。訓練方法として以下の2点を重視した。(1)ことばの自発性を高めるため、要求対象物を統制し自己充足が困難な事態を設定した。(2)日常生活でことばを機能的に使用できるようにするため、日常生活場面である学校生活場面で直接指導した。手続きは、要求物を見せ、要求物のそばに訓練者が立って自発的要求を待つ即時対応期と、要求物を隠し、訓練者が要求物から離れて自発的要求を待つ非即時対応期によって構成された。その結果、2名とも自発的にことばで要求する割合が高くなり、ことばによる要求回数も増加した。さらに1ヵ月後もこの傾向が維持され、これらのことから機能的言語導法の有効性が確認された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1992-03-30
著者
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