ある自閉児の過去体験の言語化過程の初期段階
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概要
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〔目的・方法〕MA5歳の自閉男児の幼稚園における午前中の諸活動について当日午後対話形式でかれに質問し、その反応を同方法で調べた同MAの健常児の反応と比較分析した事例報告である。〔結果〕自閉児の反応は健常児のそれに較べて次の諸特徴をもつ。(1)言語応答率、とくに正答率が低いが、共に微増傾向を示す。(2)正答、誤答、無答、独語等の諸反応の日内変動が大きい。(3)正答発話の約8割には無関係な語・句・文が付随していた。(4)言語応答はまず文章形態が整い、次に応答内容と事実との整合性が増し、その次に正答連続率が徐々に向上する。(5)正答可能になる質問形式の発達は、まずYes-Noで回答できる質問とWhat'型質問の段階、次にWhere型、How型、Why型、Which型質問の段階、さらにWho型、When型質問の段階の3段階となる。(6)擬音語・擬態語、同一語・句等の繰り返し傾向など、短期間では変化し難い若干の側面を有する。その他。
- 1984-09-30
著者
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