ヴィゴツキーの障害児教育観
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概要
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本論文では、エリ、エス、ヴィゴツキーの障害児教育観をあきらかにすることを目的とした。その結果、以下のようなことがあきらかになった。ヴィゴツキーは、器質的障害を基礎にして生じる二次的障害を障害児教育における主要な課題と考えた。従って、子どもの障害の問題を解決するには、感覚訓練、治療教育等の生物学的アプローチではなく、発達論を基礎にしていかねばならないことを強調した。ヴィゴツキーは、パヴロフの条件反射学説から正常児と障害児の発達の法則の共通性という考え方を導き出した。教育論の展開として、ヴィゴツキーは社会生活との結合を意図した社会的教育を最も重要な原理とみた。それは、普通児の学校との交流、社会との交流を中心的な課題と考えており、究極的には普通児との共同の教育を理想としていた。これらは今日の統合教育の考えに合致するものであり、歴史的にも注目に値するものである。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1982-02-27
著者
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