精神薄弱児のリハーサル方略におよぼすラベリングと記銘材料の効果について
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概要
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精神薄弱児(者)の記憶におけるリハーサル方略の障害については最近急速に研究が進められているが、これまでの研究のほとんどが精薄青年を対象とし、その成績を同一CAの正常大人と比較している。本研究はMA5才の精神薄弱児を対象に、系列再生課題における特性を同一MAの正常児と比較することにより検討した。そしてその際、ラベリングの効果と記銘材料(数字と具体物)の違いによる影響も分析した。その結果、(1)非命名群では全体の成績においては精神薄弱児と正常児に差が見い出せなかった。(2)正常児においては両方の記銘材料で初頭効果と新近効果が見られた。それに対し、精神薄弱児においては新近効果は両方の記銘材料で認められたが、初頭効果は具体物でのみ見られた。(3)全体的にも記銘材料の影響は初頭位置にのみ認められた。(4)ラベリングの効果は認められなかった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1980-12-30
著者
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