クララ・シューマン : 現地調査に見る活動の軌跡 (音楽表現学科特集号)
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概要
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今まで長年クララ・シューマンの研究に携わり、多くの書物や資料を見てきた。クララの栄光と苦難に満ちた生涯において、悩み苦しみながらもバイタリティー溢れる生き方を通していることには敬服するのみである。そこで彼女が実際に住んだ場所を訪れ、彼女の行動の軌跡を調べることにより、彼女の活動の原動力や背景がより鮮明に見えて来るのではないかと思い、現地調査を試みた。ドイツではこの100年ほどの間に住所表示が度々変わり、町並みすらすっかり変わってしまっている所もある。1800年代の住所を文献で調べ、現地の市庁舎に問い合わせる作業から始まった。クララはその一生において14ヶ所に移り住み、それと共にドイツ国内はもちろんのこと、諸外国への演奏旅行を数え切れないほどに行っている。クララの活動の原動力として芸術への情熱は当然考えられるが、母親、夫、子供を失うという悲しみからの反動や逃避が彼女を駆り立てたとも考えられる。クララ・シューマンの生涯と、その驚異的な活動を可能にした背景を現地調査により探ってみた。
- 尚美学園大学の論文
- 2004-12-31
著者
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