An Introduction to Kidawida : The Language of the Taita in Southeast Kenya(III)Verbs, Adverbs, Prepositions and Conjunctions
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概要
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ケニア東南部、タンザニアとの国境近くに位置するタイタヒルズには、15万人ほどのバントゥ系山地農耕民であるタイタ人が暮らしている。彼らが話しているタイタ語に関する初期の研究としては、1890年代に英国聖公会宣教協会の派遣によるアルフレッド・レイがまとめたものが残っている(Wray, J.A.. An Elementary Introduction to the Taita Language, Society for Promoting Christian Knowledge, London., 1894.)。これは、アフリカの個別言語の記述としては完成度の高いものであるが、ここで取り上げられているのはおもにサガラ方言であった。タイタ語は、広域で通用するダヴィダ語のほかにサガラ方言とカシガウ方言があるが、タイタ語の標準形といえるダヴィダ語に関するまとまった研究はこれまでおこなわれてこなかった。筆者は、レイの著書をタイタ人の調査協力者と共に読み合わせをおこなったところ、1世紀が経過していることと、サガラ方言の記述であることから、現在使われているダヴィダ語とは多くの点で異なることが明らかになった。そこで、文化人類学的視点に基づいてタイタ語を整理することからはじめ、その継続研究として、平成16年度〜18年度科学研究費補助金基盤研究(C)『タイタ語の語彙と文法構造に関する文化人類学的研究』において、ダヴィダ語の文法構造の研究を行った。本稿は、その研究成果の一部である。総合政策研究紀要第6号(2003年9月)では、ダヴィダ語の名詞、形容詞、数詞について分析し、総合政策研究紀要第10号(2005年9月)では、代名詞の構成を取り上げた。本稿では、動詞、副詞、前置詞、接続詞を取り上げる。今後は、タイタ語のコーパス全体を明らかにすることが必要になってくると考えられる。
- 尚美学園大学の論文
- 2008-03-31
著者
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