チオシアン酸鉄(III)錯イオンとの錯生成に基づく河川水中の非イオン界面活性剤のコンティニュアスフロー分析法

概要

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ポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤の定量法には,エチレンオキサイド鎖中の酸素にカリウムイオンやアンモニウムイオンを結合させた後陰イオン性の発色剤と反応させる溶媒抽出吸光光度法が用いられている.これらの方法は操作が煩雑であり,用いる発色剤の量も多い.本研究では,操作の簡便化と用いる試薬の少量化を図るためにコンティニュアスフロー分析システムを用いることとした.発色剤には,チオシアン酸コバルト錯イオンより高感度なチオシアン酸鉄(III)錯イオンを用いた.試料溶液とトルエンとを抽出コイル内で混合し,試料中の非イオン界面活性剤をトルエン相に抽出する.相分離器で分離したトルエン相の流れとチオシアン酸鉄(III)錯イオン発色試薬とを反応コイル内で混合し,非イオン界面活性剤とチオシアン酸鉄(III)錯イオンとの複合錯体をトルエン相に生成させる.このトルエン相の流れに少量のアルコールを注入した後,これを検出器に送り,505nmで吸光光度定量する.本法の検出限界はヘプタオキシエチレンドデシルエーテルの相当量として2μmolL^<-1>で,河川水の回収実験への適用でも良好な回収率が得られている.
2008-04-05