血中および尿中総水銀量の参照値

概要

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日本人における,非職業的水銀蒸気曝露者の血中総水銀量及び,尿中総水銀量の参照値をもとめた.試料は,テフロン密栓容器で分解後,還元気化-金アマルガム捕集-原子吸光光度法により,総水銀量を測定した.34〜65歳の一般女性56人における,血中総水銀量の平均値は,18.2±9.9ng/ml(範囲3.9〜56.8ng/ml)であった.22〜39歳の一般男性130人における,尿中総水銀量の平均値は,2.33±1.50μg/l(範囲0.27〜10.26μg/l)であった.比重補正した尿中総水銀量の平均値は,2.19±1.15μg/l(範囲0.68〜7.68μg/l)であり,クレアチニン(Cr.)補正した尿中総水銀量の平均値は,1.51±0.68μg/g Cr.(範囲0.39〜4.21μg/g Cr.)であった.これらの値は,ヨーロッパ諸国の報告やわが国のこれまでの報告とそれほど大きな相違がみられなかった.尿中総水銀の表示法として,比重補正値とクレアチニン補正値を比較すると,後者の方が最小値と最大値の輻はせまくなった.
社団法人日本産業衛生学会の論文
1994-03-20