一般在宅健常高齢者を対象としたアップアンドゴーテストの有用性

概要

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本研究は地域に往往する一般在宅健常高齢者(男性512名,女性805名)を対象として,機能的移動能力をみるTUGテストを実施し,本法の信頼性,加齢変化や性差,さらにはその他の機能的体力(速歩,ジグザグ歩行,手のばし,椅子立ち上がり)との関係を検討した.TUGテストは2回実施したタイムの信頼性が男性でICC=0.746,女性でICC=0.776となり,フィールドテストとして高かった.TUGタイムは男女とも60-64歳群をコントロールとして各年齢群を比較したところ,70-74歳群以降の群で有意な低下が認められ,加齢とともに遅くなる傾向を示した.性差については60-64歳群,65-69歳群,70-74歳群,75-79歳群で男性に対し,女性のタイムが低下することを認めた.TUGタイムは機能的体力との間に-0.267〜0.742の有意な相関関係を示した.TUGテストは信頼性に優れ,タイムは機能的体力とも相関関係を認め,一般在宅健常高齢者の機能的移動能力のテストとして有用性を示している.今後は虚弱高齢者を含めたTUGタイムのカットオフ値(基準範囲)を明らかにでされば介護予防運動のための指導,および運動処方の運用に期待される.
2008-02-29