農民グループの参加と能力開発による自立発展性 : パナマ運河流域保全計画による事例研究
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概要
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プロジェクト終了後の自立発展性向上に有効なプロジェクト設計の検討は,開発援助の大きな課題となっている。事例研究の対象としたパナマ運河流域保全計画は,農民グループの参加と能力開発に焦点を置き,個人,農民グループ,ネットワークの3つの対象レベルを対象に実施された。質問票を用いた面接調査は,農民グループメンバーおよびグループ活動に参加しなかった地域住民を対象として実施され,調査結果は社会,技術,財務の3タイプの能力に分解し分析された。その結果,プロジェクト終了1年後の段階においても,主に農民グループおよび個人レベルにおいて,開発された社会能力および技術能力は維持されていたことが確認された。他方,財務能力はプロジェクトの対象外だったこともあり十分には開発されず,自立発展性を高めるためには特にネットワークレベルでの開発が求められている。今後のプロジェクト設計への主な示唆として,3つの対象レベルに働きかけること,プロジェクト支援の入り口を1つに限定すること,各レベルに応じて重視する能力が異なること,ネットワークレベルの財務能力の開発方法の検討が提案された。
- 林業経済学会の論文
- 2008-03-01
著者
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