一般市民の科学的リテラシーに関する分析と考察
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概要
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科学技術の振興を図るためには,国民の科学技術に対する関心を高め,その理解を増進することが不可欠である。2001年に実施した我が国の「科学技術に関する意識調査」において,科学的リテラシーに着目して分析を行った結果,以下のことが明らかになった。科学の基礎的概念の理解度については,先行研究の課題であった共通質問項目の少なさや調査年の相違を排除しても,我が国は欧米諸国と比較して低いレベルにあることが改めて明らかになるとともに,17ヵ国国際比較における主成分分析結果では,我が国は「学校教育での思考を要する知識」よりも「学校教育後の単純知識」に強く,他の欧米諸国とは異なる傾向を示していることが明らかになった。科学技術用語及び科学基礎的概念の理解度と科学的研究プロセスの理解度で構成される「市民科学的リテラシー」の構成比率については,1991年調査から向上しており,米国1995年調査と同等レベルにあり,パス構造解析により,市民科学的リテラシーは高学歴,男性が高く,18〜49歳でほぼ同じ構成比率にあることが明らかになった。さらに「科学技術に注目している公衆」との比較では,科学的リテラシーを高めることが直ちに科学技術に注目させることにはならないことを示す結果が明らかになった。これらの結果を踏まえて,今後の我が国の科学的リテラシー向上のための科学的リテラシー定量的計測手法について提言する。
- 2008-03-14
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