青年海外協力隊の活動を促進する要因に関する検討 : ソーシャルワーク部門派遣者を対象にして
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概要
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青年海外協力隊は、開発途上地域に対して多大なる貢献をしてきた。特に顔が見える援助は、とても意義のあるものであった。そして、そのようなすばらしい実践について示された本は多く出版されている。しかし、隊員を当事者として、活動に際して隊員の対処及び環境で何が促進的な要因になったのかを総体的に抽出する試みは乏しかった。そこで本稿では、現地に派遣された隊員の視点から活動の促進要因について検討してみた。ソーシャルワーク部門の隊員のレポートを分析して、結果として、促進要因として個人的な側面と組織的な側面が見出された。個人としても任地の機関や人々を対等に認識し、またその伝達のし方を工夫していく過程に個人としての成長と自己実現も認められる。単に技術を移転すると言う機械的・無機的なものでは無く、時間の経過と共に展開する有機的・相互作用的なものである。他方で、個人の自主性や創造性にのみ依拠されるべきではない。むしろ、現地での活動に活動隊員が困難さをどのように克服するかという対処を検討する事の中で、任地の派遣機関をマネジメントの視点で整理する視点の必要性も伺われる。特に本稿では、任地での派遣機関の「評価」「目標の設定」について言及した。それぞれの機関が明確な目標を持って、それに基づき隊員を活用していくことは大きな促進要因となることを示した。
- 2007-12-20
著者
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