ヒ素の科学とよもやま話
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概要
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ヒ素は意外にも我々の身近な環境に潜んでいる。世界ではヒ素に汚染された地域で生活する人々がその被害を被っているが、日本国内でもヒ素による事件、事故等、しばしば耳にする。ヒ素はタンパク質との結合性が高く、そのためタンパク質である酵素の活性を阻害するほか、皮膚がんや膀胱がん、肺癌などを引き起こすと言われている。一方で、近年、ヒ素はある種の白血病に対して驚異的に治療効果があると俄かに注目されている。我々はヒ素の生化学的な特徴を利用し、特に発癌の過程で関わりの深い活性酸素の産生機構ついて調べてきた。本稿では世界のヒ素汚染の現状と、ヒ素の特性およびその医学的利用について解説するとともに、ヒ素による活性酸素産生機序に対する独自の見解を述べる。
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