レドックス制御による細胞膜関連チロシンキナーゼの活性化
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概要
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プロテインチロシンキナーゼ(Protein Tyrosine Kinase, PTK)は細胞の増殖や分化、サイトカイン類の遺伝子発現等に必要な初期の細胞内シグナリングにおいて鍵となる働きを担う。PTKには受容体型および非受容体型が存在するが、これらの多くが細胞脱脂質ミクロドメインのラフトと呼ばれる微小領域において効率的に活性化される仕組みが解明されつつある。これまでの研究で、細胞膜と相互作用するPTKの活性化に少なくとも二段階の酸化還元制御(レドックス制御)が関わっていることが明らかとなっている。すなわち、ジスルフィドを介したタンパク質のラフトでの凝集、そしてそれに伴う活性酸素の産生と細胞内キナーゼ領域に高度に保存されたモチーフ配列(MeしX-X-Cys-Trp)に含まれるシステインを介した活性化である。本橋ではラフトを介した活性酸素の産生の機序とPTKの活性化機序について、それぞれの相互作用を含めて考察した。
- 中部大学の論文
著者
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中島 泉
名古屋大学免疫
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川本 善之
中部大学生命健康科学部生命医科学科免疫学
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武田 湖州恵
中部大学生命健康科学部生命医科学科免疫学
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川本 善之
名古屋大学 医研究 免疫
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中島 泉
中部大学生命健康科学研究所
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武田 湖州恵
名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞免疫学講座
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武田 湖州恵
名古屋大学 大学院医学系研究科 分子総合医学専攻
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