キャピラリー電気泳動分析の新規キャピラリー内濃縮法の開発
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概要
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キャピラリー電気泳動(CE)分析の濃度検出感度の向上のため,幾つかのin-capillary濃縮法を開発した.まず,キャピラリー壁にひび割れを入れ,キャピラリー内で高電場領域とゼロ電場領域を設定した新規スッタキング法を検討した.次に,キャピラリーの先端に内径140μmの透析膜を1mm程度同軸接続し,タンパク質イオンをその透析膜内で濃縮してからCEを行う方法を検討した.また,キャピラリー壁上に直径約100μm程度の局所的な多孔壁を作製し,その多孔壁を利用する濃縮法も検討した.また,キャピラリー先端で中和反応界面を形成させ,その界面での鋭いpH勾配を利用する等電点電気泳動濃縮法も検討した.更に,キャピラリーの先端に数mm程度の固相抽出(SPE)用の吸着剤を充填させ,in-capillary固相抽出濃縮法も開発した.特に,キャピラリー壁で直径約30μmの穴を開け,複雑な試料中の吸着性成分のキャピラリー内壁への吸着問題を解決したin-capillary固相抽出濃縮法の開発に成功し,クロロフェノール類の検出下限は従来のCEより16000倍も低くて,すなわち濃度検出感度を16000倍も向上した.また,この方法は河川水中の25pptレベルのクロロフェノール類化合物の直接測定に利用でき,オフライン固相抽出高速液体クロマトグラフイーより迅速,簡便,省試薬,省労力などの利点を持つ.
- 2008-02-05
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