移動体通信における遅延情報に基づくユーザ位置管理の効率化(ネットワークプロトコル,<特集>次世代社会基盤をもたらす高度交通システムとモバイル通信システム)

概要

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携帯電話をはじめとする移動体通信ネットワークの加入者増加により,モバイル環境における通信サービスの品質は飛躍的に向上した.それにともない,次世代移動体通信ネットワークへの移行が議論されている.ユーザ数および帯域幅確保のために基地局の通信範囲は縮小される傾向にあり,今後,移動端末の位置管理は,より複雑さを増していくと考えられる.移動端末の位置登録とページングにかかるコストのトレードオフがより顕著になるため,動的な位置管理手法が求められる.本論文では,動的な位置管理手法を用いる際に想定される,端末の移動特性による問題点を指摘し,着信応答にかかる接続遅延の履歴を利用した簡潔なアルゴリズムによって位置管理コストを削減する.具体的には日常の移動端末の特性を考慮した移動モデルおよび,random waypointモデルを用いてシミュレーションを行う.本提案手法を用いることで,位置登録エリアを広く設定したまま接続遅延を削減し,従来手法に対し位置管理コストを最大で約45%削減することに成功した.
2008-01-15