大規模シミュレーションを中心に据えた遠隔研究システム
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概要
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計算科学に基づく大規模シミュレーションは,理論・実験と並ぶ第三の手法として様々な科学・技術分野で積極的に活用され,従来の理論や実験手法では解明が困難な複雑現象解明の新しいアプローチとして期待されている.ここでは,地域的あるいは分野的に分散した複数の共同研究者が関与する大規模シミュレーション研究を効率的に推進するため,SImulation MONitoring (SIMON)と総称した遠隔共同研究システムを提案する.本システムの中核をなす機能として,スーパーコンピュータ上で起動しているシミュレーション(クライアント)から外部ワークステーション(サーバ)に向けて様々の作業依頼を送信する「トリガー手法」に基づく「クライアント・サーバコントロールシステム」を提案・開発した.外部サーバは,データ転送や解析,あるいは画像処理などの依頼情報のみをシミュレーションから受け取り,その内容に従って独立にそれらの作業を行う.また,サーバはこれらの最新情報や更新結果をシミュレーションに関与する共同研究者が時間と場所を問わずモニタできるようにWebに逐次配信する.本手法は,シミュレーション後に様々の解析を行う従来の「ポストプロセス(Post-process)処理」に対して,シミュレーション実行中に随時解析を行う「アップデート(Up-date)処理」の新提案として位置づけられる.本システムをプラズマシミュレーション研究に適用し,これが大規模シミュレーションを中心に据えた共同研究の共通のプラットホームとして有用に機能することを確認した.
- 社団法人プラズマ・核融合学会の論文
- 2008-01-25
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