オオムギにおけるSNPsの育種への応用
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概要
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オオムギゲノムに存在するSNPsの多くは栽培オオムギの分化の過程で生じたと考えられる.オオムギでは近年大量のEST解析が行われており,異なる品種間のESTを比較することによってSNPsを多数検出できる.岡山大学で解析したESTを遺伝子単位に整列してプライマーを作成し,遺伝地図の両親間のPCR産物の配列を解析したところ,大部分のESTにおいてSNPsが検出された.このSNPsを用いてオオムギ遺伝子の約10%を遺伝地図上に位置づけると共に,イネおよびコムギなどの作物ゲノム並びにオオムギの物理地図との比較によって,ESTに基づく高密度な遺伝地図がゲノムの比較解析に有用であることを確認した.この遺伝地図上には産業上重要な形質が座乗しているので,ゲノム全体にわたって染色体断片を導入した系統群を開発して,目的とする品種に形質の遺伝子座別に導入することを試みた.さらに,遺伝地図上のSNPsを用いて全ゲノムにわたって雑種の遺伝子型推定が可能なタイピングシステムのための解析を行い,実用的な品種の育種に向けた技術開発の基盤を整備した.
- 植物化学調節学会の論文
- 2007-05-31
著者
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