口腔癌に対するフッ化ピリミジン系経口抗癌剤TS-1を用いた治療戦略(上村修三郎「がん研究」奨励賞受賞講演)
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概要
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従来,口腔癌は抗癌剤低感受性の腫瘍として認識されてきたが,新規経口抗癌剤TS-1の導入により口腔癌の治療成績は改善しつつある。日本での口腔癌治療の中心的薬剤となり得るTS-1は,外来使用が容易で,高い奏効率・寛容な有害事象を示し,また多剤併用により高い奏効率を示し,放射線との同時併用療法はさらに劇的な治療効果を発揮する。本稿では,われわれが行ってきた口腔癌に対するTS-1単剤療法およびTS-1と放射線同時併用療法の有効性ならびに安全性についてその概略を供覧するとともに,TS-1の抗腫瘍効果発現のメカニズムについて様々な視点から考察し,文献的考察を交えながらTS-1を用いた治療戦略について検討した。今後分子標的薬剤との併用も含め,TS-1が世界的な標準治療に組み込まれるか否かは今後の臨床試験の結果が待たれるところである。
- 徳島大学の論文
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