身体意識に関する研究(1) : 女性社会人について
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概要
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本研究の目的は,女性社会人が自分の体格,プロポーションに対してどのように意識しているか,またどのようなプロポーションを理想としているかを明きらかにすることである。昭和63年6月〜7月,石川県内の女性社会人111名を対象にアンケート調査を実施した。得られた結果は,次に示すとおりである。1)肥痩自己評価の分布をみると,太っている・太り気味であると自覚する人は,過半数(54.9%)を占める。この割合は,20代で最も多く(71.1%),年齢が増すとともに下がる。2)現実の身長・体重・胸囲・ウエストの全体平均値は,156.5cm・50.7kg・82.9cm・63.7cmである。各自己評価群のローレル指数は,5群(156・肥満型),4群(135・中型),3群(123・中型),2群(117・細長型),および1群(110・細長型)である。太っている,太り気味と自覚している評価5群,4群の61人中51人(83.6%)は,厚生省の判定基準でみると,普通あるいは痩せ気味に属することになり,自分を太り気味に意識しがちである傾向,すなわち実態と意識のずれがみられた。3)理想とする身長・体重・胸囲・ウエストの全体平均値は,160.1cm・48.8kg・83.5cm・60.0cmである。また現実値と比較すると,理想値は身長および胸囲では大きく,逆に体重およびウエストでは小さな値を示した。各自己評価群の理想値のローレル指数および現実-理想値間の偏差をみると,5群では128 (-28),4群では119 (-16),3群115 (-8),2群では116 (-1),および1群113 (3)となり,太っている,あるいは普通であると自覚する群において,痩身スタイル指向が顕著に示された。4)身長との相関では体重のほかはいずれも低い値を示した。また,全体の平均身長に対する各項目の回帰直線をみると,体重およびウエストにおいては評価2群で,胸囲では評価4群で現実値と理想値が最も近似している。5)自分の体型(プロポーション)で気になる部位は,お腹(ウエスト),お尻,あしの3ヶ所に集中している。
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