参加型授業におけるSSMベースのアクションリサーチ : フランス・グランゼコールMBAコースでの事例
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概要
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ビジネススクールという専門大学院においては,アメリカの伝統の強い影響のもとに,実証主義に基づいたモノ中心の経営知識を教授することがそのカリキュラムの主流になっている。しかし,現在のような技術革新や最新テクノロジーの応用が分刻みで行われているビジネスの現場において,このような「知識」の賞味期限のサイクルは非常に短期的になっており,過去の知識そのものを教授する大学院教育は次第に時代のニーズに合わなくなってきている。実務の経験を何年か経験してきた学生は,むしろそれまでの自分たちの現場での最新の経験をリフレクションし,その経験を概念化する方法論を求めて経営大学院にやってくるようになった。経営専門大学院は,このような学生のアクチュアルなニーズを満たす場にしなければならない。そのためには,従来の「実証的知」を教授するという教育パラダイムを改めて,大学院の授業を参加型で,現場の知を重視するアクションリサーチ(ここでは「ソフトシステム方法論:SSM」のこと)を導入した教育観に基づいて行うことが要請される。本論文では,日本ではまだ研究実績の少ないアクションリサーチを採り入れた経営大学院の授業実践のケースを,フランスのグランゼコールでの経験をベースに紹介し,その成果を検討する。更にアクションリサーチを授業に採用したときの,教員側の対応能力についてもこのケースをもとにして考察してみたい。
著者
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