通常の学級に在籍する慢性疾患患児への学級担任の関わり : 学校生活を支援する担任の役割と課題
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概要
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小・中学校の通常学級で慢性疾患患児を受け持つ学級担任教師26名に,患児への関わりについて面接調査を行った。担任が語った患児への関わりに関する内容を,患児がQOLの高い学校生活を送るための担任の役割および支援を可能にするための課題に焦点をあてて検討した。面接調査の結果,次のことが明らかになった。(1)担任が認識する自らの役割は,(1)患児への支援,(2)ノーマライゼーション実現に向けた学級づくり,(3)適切な関わりを行なうための基盤づくり,の3つに整理されること,(2)医療行為や患児にかかりきりになる支援,患児が療養行動について自己管理困難な場合などは,現状では支援が不可能であること,(3)しかし,担任の「複数配置」や「他職種からの支援」など人的・物的条件が整えば支援の可能性が広がること。今回の調査研究により,担任がその役割を遂行していく上で,担任独自の役割の認識を前提として,支援に必要な条件を現実的に整備していくことがとりわけ重要であり,そのことが,患児の学校生活の質の向上へと直接繋がっていくことが強く示唆された。
著者
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