嚥下食の物性に及ぼす調理後の経過時間の影響
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概要
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嚥下機能が低下している患者では、食事時間が長くなるため、適した物性の食事を提供したとしても、室温に保存している間に食品物性が変化する可能性が高い。そのため、今回の実験では、調理後の食品の物性が、時間経過によりどのように変化するかを観察した。用いた試料は、聖隷三方原病院の食事基準に基づき、段階1〜段階5の5段階の食品物性を経時変化とともに測定した。段階1〜段階3に多く用いられているゼラチンゼリーの場合、時間経過とともに中心温度が上昇し、融解がおこり、かたさは減少、凝集性は増加、付着性は減少した。このように物性の変化への対応として、食事提供の際に、温度変化が起こらないように工夫することが必要であることが示唆された。段階4、段階5では、毎日提供される温かい主食や魚・肉類の場合、20±2℃でインキュベーションすると中心温度は著しく低下し、かたさ、付着性は増加した。60±2℃でインキュベーションすると中心温度の低下がゆるやかになり、同時にかたさや付着性の増加がゆるやかになったことから保温の必要性が示唆された。
著者
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