摂食・嚥下障害者に適する豆腐および豆腐様食品についての研究(健康科学科)
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概要
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今回の研究は、手軽に購入でき、摂食・嚥下障害者でも食べられる可能性のある食材として種々の豆腐(絹ごし豆腐、木綿豆腐)および豆腐様食品(卵豆腐、胡麻豆腐)を用いて物性測定と官能検査を行い、摂食・嚥下障害者に適するのかどうか検討した。物性の測定の結果では、絹ごし豆腐と卵豆腐が、かたさ10000N/m^2前後の値を示したが、木綿豆腐は16527±2813N/m^2、胡麻豆腐20263±5885N/m^2であり、高い値を示した。凝集性については、4種類の豆腐間において有意な差はみられず、付着性は胡麻豆腐のみが絹ごし豆腐、木綿豆腐、卵豆腐に比べて有意に高い値を示した。官能検査では、絹ごし豆腐や卵豆腐のように、比較的かたさの柔らかいものは、健常人では食べるときに歯で噛む回数と、舌でつぶす回数が、同程度の割合で行われていることがわかった。物性試験と官能検査の結果を解析すると、かたさは、付着性・歯で噛む回数・歯で噛む割合と強い正の相関が見られ、付着性にも、歯で噛む回数・歯で噛む割合と強い正の相関が見られた。さらに加熱調理した場合の物性についても測定を行い、木綿豆腐は、加熱により、かたさ・付着性とも下がり、嚥下障害者に適している物性に近づくが、加熱後の室温放置により、かたさ、付着性とも物性はもとに戻る結果が得られた。以上、今回の検討により手軽に購入できる豆腐の中でも、そのまま食事に提供する場合は、絹ごし豆腐、卵豆腐が摂食・嚥下障害者に対して適する食材である可能性が示唆された。
- 県立広島大学の論文
- 2006-03-03
著者
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