普遍的人権概念と道徳的多元性 : イグナティエフの人権思想
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概要
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国際人権レジームをさらに実効性あるものにし、人権概念の普遍性と世界の道徳的多元性との対立というアポリアをどのように解決するか。この問題は、現代の人権論に課せられた大きな問題のひとつであるといってよい。この問題に対してイグナティエフは、プラグマティックな人権論を提唱している。その骨子は、人権概念を哲学的・宗教的議論から解放し、消極的自由の保護という実践的な目的に限定し、人権を政治として捉える、というものである。この論文では、イグナティエフの人権論の意義とその問題点について若干の考察を試みてみたい。
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