企業の社会的責任(CSR) : その歴史的展開と今日的課題
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概要
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相次ぐ企業不祥事の発生や地球環境問題への対応など、様々な局面で企業の社会的責任(CSR)を問う声が高まるのを受けて、近年、大企業を中心に多くの企業がCSRへの取り組みに力を入れ始めている。しかし、そもそもCSRとは何を意味するのか、本来営利追求組織である企業がCSRにどう取り組むべきか、といった点については、依然として論争の的になっており、統一した見解は得られてない。その理由の一つとして、歴史的に見てCSRという言葉に、それぞれの時代の価値観や、人々の企業の役割に対する期待などを反映した、微妙に異なる様々な定義が行われてきたことが挙げられる。本研究の目的は、この「企業と社会」(Business & Society)論の領域において議論されてきた「CSR」について、その歴史的生成および議論の展開から、今日のCSR概念に内包されている基本概念および諸理論を抽出し、その課題を検討しながら、企業は現在そして今後、CSRにどう取り組んでいくべきかを考察することにある。本稿では特に、この研究領域において常に世界をリードしてきた米国におけるCSR論の歴史的展開を中心に、その発端となった出来事や論者の主張、その後の理論展開を年代別に取り上げ、考察している。
- 関西学院大学の論文