小笠原諸島父島におけるリュウキュウマツ個体群の動態と生育環境
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概要
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父島において、1979年に端を発する松枯れを経て、現在なお生存しているリュウキュウマツの分布を確認した。リュウキュウマツの更新の有無は、立地する環境に依存している。更新は林床への光の到達が大きいところで確認され、それは本調査地では植生の階層が未発達である群落、乾性低木林、海岸林であった。一方、更新が困難であった場所は、林床に光が届いていないムニンヒメツバキなどが優占する群落であった。松枯れ以後、リュウキュウマツの更新が顕著だったのは、土壌が比較的薄く、土壌水分の乏しい傾斜地などの父島における生態的ニッチの空白域であった。
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