裁定取引が機能不全に陥る諸要因について
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概要
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金融市場における証券価格は,商品価格とは異なり証券そのものへの需給では決まらない。証券価格はその証券が持つ将来キャッシュフローの割引現在価値として決まっており,その意味では「投資家の人気」と「価格」は本来的には無関係である。証券の本質的な価値と市場価格がイコールとなっている金融市場は効率的市場と呼ばれ,現代のファイナンス理論体系が前提としているところである。ところが現実のマーケットでは,本質的価値から乖離した価格形式がしばしば観察される。その原因は,市場の効率性を担保する有力な手段である裁定取引(アービトラージ)が機能していないからである。本稿では裁定取引が機能不全に陥る諸要因について,クローズドエンドの投資信託価格,双子株式の価格・親子上場の株式価格,さらには巨大ヘッジファンドLTCMの破綻を例にとって考察する。
著者
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