暖地型牧草の乾物生産における草種間差異に関する研究 : II.細胞壁物質と乾物生産の関係について
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概要
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暖地型牧草の乾物生産と細胞壁物質(CWC)の関係を知る目的で,カラードギニアグラス,ヒエ,ローズグラス,シコクビエおよび対照作物としてトウモロコシを供試し,乾物重(DM)および中性デタージェント法によるCWC含有率を調査した。その結果を要約すると次のとおりである。1.シコクビエとトウモロコシにおいて,DMよりCWCを差し引いた細胞内容物(CC)の生長は前報で述べたDMの場合と同様に一般ロジスチック式で示されることが明らかとなった。また,生長パラメータのうち上限値Y_<CC>には両草種の差が認められないことが注目された。2.CCに関する相対生長率(RGR_<CC>)は両草種に差が認められなかったが,単位CCあたりの乾物生長速度(CGR/<CC>^^^)はトウモロコシで大きいことが明らかとなった。3.供試した5草種の播種後55〜95日のCWC含有率は時間の経過とともに増大し,乾物重の対数値とCWC含有率の間には直線関係が認められた。また,最終の乾物重が高かった草種は全植物体のCWC含有率,および茎のCWC含有率も高い傾向がみられた。4.以上のことから,イネ科暖地型牧草の乾物生産の種間差異には細胞壁物質が関与しており,形態的特性とくに茎の発達程度ともかかわっているものと推察された。
- 日本草地学会の論文
- 1983-01-28
著者
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