夏型飼料作物の初期生育期における呼吸の定量的解析 : I.従属栄養期の生長効率について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
夏型飼料作物の従属栄養期における幼植物の生長と呼吸の関係を定量的に明らかにする目的で,ローズグラス,シコクビエ,ソルガム,トウモロコシおよび対照作物(イネ,コムギ)を供試し,暗黒条件下で生育させた。得られた結果の概要は次のとおりである。1.貯蔵養分消費速度(%/day)は種子が小さいほど大きい傾向が認められローズグラスの貯蔵養分消費速度が最も大であった。2.幼植物の相対生長率(RGR)は貯蔵養分消費速度の大なる草種ほど大きい傾向がみられたが,シコクビエのRGRは供試草種中最大であった。これらのことから,従属栄養期のRGRの草種間差異には貯蔵養分消費速度だけでなく呼吸も関与しているものと推察された。3.貯蔵養分消費速度とRGRは温度に強く影響されるのに対し,生長効率は15〜30℃の範囲内では温度に影響されることは少なかった。4.生長効率(GE)には草種間差異が認められ,供試草種の中ではシコクビエの生長効率(GE)が最も高かった。以上の結果から,シコクビエの生長効率(GE)が高いことが幼植物のRGRを高くしている原因の一つであると考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1984-10-31
著者
関連論文
- 水稲「日本晴」に出現した変異の検討
- イネの茎内の稚葉・幼穂に含まれる遊離アミノ酸について : イネカラバエに対するイネ品種の抵抗性との関連において
- 夏型飼料作物の初期生育期における呼吸の定量的解析 : II.幼植物の維持呼吸と生長呼吸について
- 夏型飼料作物の初期生育期における呼吸の定量的解析 : I.従属栄養期の生長効率について
- 暖地型牧草の乾物生産における草種間差異に関する研究 : II.細胞壁物質と乾物生産の関係について
- 暖地型牧草の乾物生産における草種間差異に関する研究 : I.一般ロジスチック式の適用について
- 飼料作物の初期生育における草種間差異について