石灰成分がサイロ壁部サイレージの化学的品質に及ぼす影響
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概要
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水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムは,サイレージの有機酸を中和する性質を持っており,これらはコンクリート製サイロの材料中にも含まれている。本報ではサイロ壁に石灰成分が存在する場合に,このことが壁部サイレージの化学品質に及ぼす影響を検討した。(1)内壁がコンクリート(セメントモルタル)で造られたサイロの高水分サイレージの品質は,壁部のものが中央部より劣っていたが,内壁が強化プラスチック(FRP)で造られたサイロでは,コンクリートサイロでみられた傾向はなかった。(2)壁面が堆肥汚泥で汚染されたプラスチックサイロ(1/2000a・ワグネルポット)に貯蔵した牧草サイレージの品質は,壁部と中央部の差がなく,無処理区と同等であった。(3)壁面を堆肥汚泥で汚染させた後,石灰乳を塗ったサイロに50日間貯蔵した牧草サイレージは,無処理区に比べて壁部,中央部ともにpHが高く,乳酸含量が少なく,酪酸含量が増大していた。(4)サイロ内壁に石灰成分が存在する場合,このことが壁部サイレージの品質を低下させる要因の1つになることを認めた。
- 日本草地学会の論文
- 1978-04-30
著者
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