チモシーの同一集団内における個体間の相互作用
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概要
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チモシーの品種集団および栄養系集団を供試して,多肥および少肥処理の条件下で栽植間隔が,5,10および15cm平方の3密度区を設置し,定着第1年次から第4年次の4年間にわたって年間2回の刈取りを行い,草丈,茎数および風乾個体重について,密度と個体間変異の関係および個体測定値の頻度分布型の経時的変化を通じて個体間相互作用を類推した。1)草丈について一般に分布型が右へひずむ背ぞろい現象がみられたが,正規分布型や左へひずむ場合もあり,個体間に背ぞろい的伸長とせりあいとの拮抗が推測された。2)茎数について頻度分布は経時的に左へのひずみを増し,その程度は品種集団は栄養系集団よりも,多肥処理は少肥処理よりも,さらに高密度区は低密度区よりもそれぞれ著しかった。3)個体重における頻度分布の左へのひずみは茎数よりも強くあらわれ,個体間の激しいせりあいが推測された。せりあいに対する要因水準間の関係は茎数の場合とほぼ同様であった。4)高密度区ではせりあいが進むと弱小個体は枯死へと追いつめられたが,低密度では強大個体がさらに強大になるという変異の拡大へ発展した。5)個体重に対する草丈と茎数との関係はいずれの密度区でも茎数の寄与が草丈のそれを大巾に上回った。
- 日本草地学会の論文
- 1975-10-25
著者
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