生活構造から捉える障害者とスポーツ
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概要
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これまで、障害者とスポーツの関係を議論する場合、多くは傷害の種類・特性との関係に焦点化されてきたといえる。例えば、アダプティッド・スポーツは、多くの障害者にスポーツ実践の場を拡大することを意図したものである(藤田,1998)。また、パラリンピックや全国障害者スポーツ大会では、競技の平等性を確保するため、細やかな検討がなされている(藤田,1999)。さらには、ソーシャル・サポートのあり方を検討したものもある(芝田,1992.後藤,1999)。いずれにしても、これらは障害者スポーツの大衆化・高度化を目指し、その振興策を検討するうえでは一定の知見を提供し得ると考えられる。ところが、このような研究・調査では障害そのものが前提となり、障害者を“障害のある人”とした上で議論される。現実の地域社会では障害を持ちつつ、多様な暮らしが展開されており、その一部としてスポーツが実践されているはずである。つまり、障害者のスポーツを考える際にも、地域生活を前提とした生活主体のあり様から議論することも重要な視点となり得るのではないかと考える。そこで本研究では、障害⇒スポーツという視点に加え、障害⇒生活⇒スポーツという視点を加えることで、より現実に即した形で障害者のスポーツ実践に迫ることを意図し、研究に着手することとした。本研究の目的は、地域で生活する障害者の生活構造及びスポーツ実践の実態を明らかにし、地域スポーツとしての障害者スポーツを議論する際の一資料を得ることである。
- 熊本大学の論文
- 2007-11-30
著者
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