社会契約の基底と秩序問題 : ルソー的徳の美学的方法(II)
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概要
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社会契約論は原子論的個人を基本単位とし、それらの利己的振舞いから社会および国家の設立を説明する論理である。18世紀の思想家ジャン=ジャック・ルソーも主要著作の一つである『社会契約論』を著したが、これは未だ解明されるべき論点が残されている難解な著作である。また、この学説は後の20世紀になり、その問題設定によって社会学における秩序問題と深く関係することになった。本論文の目的は、『社会契約論』において「社会契約」と「最初の約束」は区別され、後者が前者に先行しつつその基礎になっているという仮説に基づき、この「最初の約束」の成立様式の特徴を明らかにすることにある。ルソー的社会体の実質的な成立は、「最初の約束」の締結の瞬間に求められるが、その締結当事者の動きは前意識的地平にあり、故に、その内容として結果する徳は美学的次元において実現される。
- 太成学院大学の論文
- 2007-03-31
著者
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